みやたしのぶの「投資小噺」

「植木市」と掛けて「キプロス」ととく。その心は。。。

私の住む浅草では、世にもよく知られたお祭り、三社祭が終わるとそのまま夏の風物詩とも言えるほおづき市までイベントがない、と思われていますが、実は夏の始まりを昔から教えてくれる大事なイベントがあります。

浅草の植木市ってご存知ですか?

5月と6月の最終土曜日とその翌日の日曜日に行われる植木市がそれで、この日は観音裏(浅草寺の北側の特に、言問通り- 「ことといどおり」、っ読めますか? – のエリアをこう呼びます。)にある浅草浅間神社周辺に関東一円の植木商が、手軽にプランターで育てられそうなハーブやトマトの苗、朝顔やほおづきなどの花の鉢植え、そして、南天や松といった家に庭がないと植えられないような大型の樹木までを露店に並べます。そのお陰で、周辺は新緑の匂いに包まれるので一足先に目と鼻で夏を感じられるのです(が、この数年は暑さもこの頃から始まるので肌感覚も、ですね)。

元々は富士山の山開きに合わせてお参りする富士山信仰

この市は江戸の頃から続く浅草の市の一つです。7月1日の富士山の山開きに合わせて、市井に浸透していた富士山信仰によってその前日に富士山の麓にある浅間神社にお参りにいきたいけれども江戸からは遠いので、浅草にある浅間神社にお参りしてご利益を得よう、とこの時期に浅草に人が集まるようになったことから、市が立ち、ちょうどこの時期に人が求めたのが植木だった、と言われています。
この浅間神社の境内には富士山のミニチュアがあり、それに登頂すると、富士山の頂上に上ったのと同じご利益を得られるようになっています。今も6月の後半になると夏の大祓と言って大きな茅の輪が神社のお社の前に立ち、これを八の字を描きながらくぐった後にお社でお参りすることで正月からのこの半年の禊をして残り半年を過ごそう、というお参りの仕方もありますので、6月の植木市に足を運ぶのもお勧めです。
さて、このまま終わるとただの出来の悪い浅草観光の解説になりますので少しファンドの世界の話に(いつものように無理やり)絡めてみたいと思います。

古くからあるけどそんなに知られていないファンドの国、キプロス

古くから、人が集まってものが集まるところにはお金も情報も集まっていましたが、そんな集まる場所の一つに港町、がありました。特にフリーポート – 自由港 – は、そこでの荷の積み下ろしや加工などに関税がかかる事なく、また外国船舶の自由な往来や外国人の居住なども許容する、いわば国の中の外国を作って、海運や倉庫業、保険などの金融が発展したのでした。密輸や租税回避、犯罪の温床ともなったことから今やそのような自由な港は姿を消し、港湾の一部の区分でのみ積み下ろし等に限った自由な行き来許されている都市が、ニューヨークやアムステルダムといった今や大都市と呼ばれる港町のいくつかで見られるに過ぎませんし、さりとて今でも、その当時の面影を残す、と言われているのは、香港やシンガポールですが、その名残から海運を軸に、ヨーロッパとアジアとアフリカの三大陸をつなぐ要所となっているのが、ヨーロッパの外れ、キプロス島です。その昔から港町として栄えていましたが、今も海運での取扱高はヨーロッパでも有数、それ故そこに籍を置く船舶数も世界でもトップクラスという海の世界におけるハブの機能を提供している国なのです。
さて、そんなキプロスですが、実はファンドの世界でも知る人ぞ知る国、なのですがご存知でしたでしょうか。海運を通じての多くの国との取引を基に多くの国と租税条約を締結し、特に地理的な優位性もあって東欧からロシアへのゲートウェイの機能を果たす一方で、 海運、特に船舶の国籍登録や管理のノウハウを活かして、現地での企業やファンドの設立、登記から管理まで行う 事務代行業務の提供が盛んで、ヨーロッパではルクセンブルグとアイルランドの二カ国がこの点では日本でもよく知られているものの、それに次ぐ規模のファンドの設定と運営、事務代行がこのキプロスで行われています。

その昔は世界は舟で繋がり、今はお金が世界を繋ぐ

ちなみに、このような歴史的背景を持ち、ファンドの拠点となっているとことはヨーロッパではマルタ、アフリカではセイシェルやモーリシャス、アジアではシンガポールや香港といった、古くは港町だったところが多くその名前を連ねるのは、その多くが英連邦の一部(既に離れたところもありますが)であることと同じく共通するところでもあります。そして、これらがもうひとつ共通するところとして挙げられるのが観光業です。
その海に面し、もしくは囲まれた自然環境を生かして観光業として世界中から人をひきつけ、その人たちをもてなし(お金を落として貰い)去っていく、というのは、お金を集め、通り過ぎていくのを事務サービスとして資金を管理していくファンドのビジネスとある意味似たところがあるようです。

まとめ – 観光地が目指すこと、ファンドが目指すこと

キプロスはその観光の一環として映画撮影の誘致もしているそうですが、実は我が台東区も同じく映画撮影の誘致に力を入れています。映画を通じてその土地の魅力を発信して、より多くの人に訪れて欲しい、という意欲の現われでもあるわけですが、ではファンドはどうやったらその魅力を映画のように間接的に発信できるのでしょう。。。ちょっとした課題になりそうです。