「新年」と掛けまして、「世界の団らん」と解きます。その心は

この投資小噺もやっと今年最初の投稿となりました。といっても、もう2月と、2019年も既に1/12が終わったところではございますが、今年もこのコラムもご愛顧のほどを。 さて、言い訳がましいものの、このひと月、新年が始まったという事で、ばたついてしまいましてこのコラムも後回しになってしまいました。

年末年始って、事務方は忙しいんですよ。。。

しかし、こうもどうして、新年が始まるとやらねばならないことが色々とあるのでしょう。例えば、昨年末の年末調整も所得税控除のルールが変わったことでちょっと混乱しましたが、そうやって当社の役職員から預かった源泉所得税をきちんと納めて税務署と都税事務所にそれぞれ報告するのが毎年1月。会社の固定資産の報告を都税事務所にするのも1月。と、案外税務関係の仕事が多いのです。なので、皆さんの会社の経理や総務の人たちには優しくしてくださいね。で、気づいたら旧正月、だった、という訳です(一応申し添えるならば、当社運営ファンドでの資産譲渡の手続きをしていたり、当社の代表取締役が前回の記事で触れていますが、当社の次のファンドの立ち上げのための準備をしたり、と、税務しかしていないわけではないですからね)。

旧正月、日本とアジアで大違い

おっと、旧正月、なんて言葉が出ましたが、日本ではちょっと前の江戸時代まで、旧暦が使われていましたので、節分をへて立春に新年を迎えるしきたりであり、干支の切り替わりもこの時、ということのようです。お陰で、ではないですが、そんなしきたりを幼少期に教わらなかった私は、ずっと亥年の1月生まれと思っていたのに、戌年なんだ、と知ったのはいい大人になってから、でした。


そして、旧正月、というと日本では常に2月4日が立春としてその日とされていますが、中国をはじめとするアジア諸国の春節は、毎年時期が変わります。というのも、ちゃんと太陰暦と言って月の動きに基づく暦での春の始まり、春節に合わせて(正確に言えば春節の前日から、近年の中国では)7日間の正月休みに入ることになり、家族と過ごすべく実家に戻る人で電車も飛行機もごった返すそうですが、このところのインバウンド需要の中でも年間のピークになるくらいの来日観光客が(このコラムのいつものフレーズとなっている)私が住んでいる浅草を初めとする全国の観光地を訪れる、という訳です。その間、工場も物流も(当然銀行も)ピタリと止まりますので小さなところでは正月休みに食料品を買うことが出来ず(なので正月前にその間食料を買い込まなければいけないそうです)、大きなところではモノとかねがその間止まることで経済にいろいろと影響が起きる、のです。

ところ変われば、正月じゃなくその前に休む欧米では

さて、そんな年末年始の長期休暇、アジアだけの話ではないのが、欧米のクリスマスホリデー。 クリスマスの前の週から三々五々とはいえ休暇に入り、クリスマスは家族と一緒に過ごす、というのが欧米では一般的ですのでどうしてもクリスマスの前の週あたりから皆そわそわして物事が前に進まない、なんてことが毎年のように起こります。そして、クリスマス当日ともなれば街のお店はすべて閉まり、公共の交通機関もほとんど動かず、みんな家で過ごし、クリスマス(や、いぎりすであればその翌日のBoxing Day )のあとから仕事に戻り、でも、元旦だけ休んで通常に戻っていくのです。

ですので、年末にアメリカで決済まで終わらせる案件を抱えていた私は、と言えば、クリスマス前までに片付けねば交渉相手がクリスマス休みに入って動かなくなる、とぎりぎりの12月21日には年甲斐もなく(?)徹夜までし、そのかいあってその案件は何とか「ゆく年くる年」が始まる時にクローズ出来た、という連絡を貰いました。そうなんです。日本以外は大晦日も通常営業なのでした。そして正月も2日から平常通りに営業していますので正月2日の昼ごろからアジアからヨーロッパ、アメリカに掛けて普段通りのメールが飛び交い始めるのでした。

お後がよろしいのかわかりませんが。。。

と言うことで、この12月から2月に掛けて、世界中の何処かで家族の団らんを待ちわび、旅をし、楽しむ人たちがあちこちに居て、その結果として、銀行が休みになり、電車すら止まっても、その人たちの団らんと束の間(?)の休息、と思えば正月休みを頂く私達もお互い様、と思えてきますね。