第366回 < あいざわアセットマネジメント運用のセカンダリー2号ファンドについて >

今年1月末に、あいざわアセットマネジメントで運用する、Ariake Secondary Fund II LP (以下、2号ファンド)の資金募集がセカンド・クローズし、今月中に最終クローズを迎える予定です。2号ファンドは、2015年から運用を開始していた1号ファンドの後継ファンドであり、2019年10月に当初資金の募集を行って以降、募集と投資を並行して行ってきました。コロナ禍の影響から投資家との対話が進みにくいこともあり、想定よりも時間がかかりましたが、ようやく本格的なファンドのスタートが切れることになり、ほっとしています。幸い、良い投資機会に恵まれたこともあり、当初資金の募集以降、順調に投資を進めてくることができました。関係者の皆様には、この場をお借りして、厚く御礼申し上げます。

2号ファンドの投資対象は、1号ファンド同様、投資家が過去に投資を行ったPEファンドやVCの持分をはじめとする低流動性資産や、ファンド自体が保有している株式などの有価証券などになります。投資家がファンド持分を売却する理由としては、ファンドが想定よりも長期にわたり存続するなどした場合、少額なファンド持分を管理するコストを嫌うことや、制度変更や投資家自身の戦略変更によって売却を行うなど様々です。一方、ファンドの保有ポートフォリオ有価証券の売却は、多くの場合、ファンドが当初予定していた存続期間が終了する際に、期間内に出口を迎えられずに残った保有銘柄を現金化するために行われます。

いわゆるセカンダリー投資といわれるこの領域は、欧米においてはPEファンドの成長とともに大きな市場規模に成長していますが、日本国内においては黎明期といってよいかと思いますし、認知度も低い市場です。今回、グローバルでオルタナティブ投資関連のデータ分析サービスを提供している、Preqin社のブログに、英文で日本のセカンダリー市場についてのコラムを寄稿しています(弊社CEO 白木が Preqin のアジア太平洋のセカンダリー市場に関する寄稿を致しました | あいざわアセットマネジメント株式会社 (akebono-am.com))ので、ご興味のある方は、ぜひご一読ください。

セカンダリー投資に必要なスキルは、案件ソーシング、投資対象の調査、資産評価と買取額の決定、買取り決定後の契約事務などがあげられますが、投資対象や売り手が海外籍である場合も多く、様々な法務・税務面のコミュニケーションも発生します。売り手の事情から、短期間で売買を成立させないといけない場合もあり、投資にかかる期間はまちまちです。最初にお話を頂いてから、1年以上かかるケースもあれば、当初の持ち込みから2-3週間で買取を決める場合もあり得ます。

1995年にファンド投資ビジネスに携わってから26年間、また、2015年からセカンダリー投資に特化したファンド立ち上げてからの6年間で、この分野の投資に関する様々なノウハウが蓄積したと感じていますが、投資対象企業のビジネスモデルも時代とともに変化を重ね、また、ファンドに関する制度や税制なども変化することから、取引毎に、毎回、新鮮な驚きや学びが存在します。今後も、この分野のリーディングカンパニーを目指して、努力と経験を重ねていきたいと考えております。ご指導、ご鞭撻のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。