みやたしのぶの「投資小噺」

「お会計」と掛けて、「テクノロジー」と解く。その心は

私の住む浅草というところは、言わずと知れた東京、いや日本屈指の観光地。となると何で商売をするかといえば、来訪する人たちに浅草ならではというお土産物を売ったり、食事を提供したり、体験を提供する、という、いわゆる個人向けのサービス業がメインになるのですが、どれもこれも大事なのは質の高い品物やサービスの提供と、その一連の体験を締めくくる最後の、気持ちよく終わるお支払い、だったりします。そして、食事を含めた体験の提供は当然なのですが、商品の提供においても人手というのはいつの時代も必要ですが、お支払いというところでは最近では随分と様変わりしてきたようでして。。。

昭和の匂いのするお会計の体験

こういった風景は消えていくのでしょうか
こういった風景は消えていくのでしょうか

ご存知の方も多いかと思いますが、著者の家族というのは50年以上続く土産物屋なのですが、 おかげで昔ながらの現金決済のみ。借金とか掛け払いとかを信じないという、いい意味で言えば信用リスクを最小限に抑えた経営、悪く言えば他人に手数料を払うのが嫌いなケチ、なものでして、おかげでこの21世紀のオリンピックとパラリンピックが来る世の中のキャッシュレスの世界に全くの未対応。これが果たして良いか、言えば、100種類は優に超える取扱商品の売値は全部覚えねばできないし、何がどれだけ売れたかのような情報は正確な情報が取れるのは棚卸しをするときのみで普段は肌感覚、現金決済なのでカード支払いに慣れて円紙幣を持ち歩かない外国人観光客はレジで買い物を諦め、お釣りの間違える可能性はあるわ、紙幣なんて物理的に存在する以上、万が一お客からバイトまでレジの中身に手を付けられたら最後、商品の万引きよりもダメージが大きい。だからといってレジを一つで社員だけが触れるようにしたら精算に長蛇の列でせっかちなお客さんも買うのを諦めてしまいます。って、これって1990年代までは本当にどこにでも見られた風景なんですよね。

今どきのレジ 、あれこれ

さて、今どきのレジ。タブレットとバーコードリーダーとキャッシャーとプリンターがbluethoothで繋がり、タブレットを経由してクラウドで商品ごとの売上と(なんなら在庫も)管理し、クレジットカードやデビットカード、QRコード決済などなども合わせて提供するパッケージがいくつもあります。そしてそんな統合された情報で自社の経理処理にまで直結できて、これならどのサービス業でもどこでも導入可能と言う事で、ワゴンの弁当屋さんから最近流行のおしゃれなカフェ、そしてあちこちの老舗ですら見かけるようになりました。これさえあれば、クレジットカードの加盟店として直接加盟する手間やハードルを回避しつつ、また、そこに悩まされることなく、新しいビジネスにより集中できるという便利な世界になりつつあるのですね。

レジどころか店員さんいらずで、お支払出来ます。

とはいうものの、それでも、物販ですとバーコードを読み取る作業をする人そのものとその手間が残りますよね。最近のスーパーではバーコードの読み取り作業は 店員さんが行い、精算を端末でやってもらうことで精算の間違えトラブルから現金管理まで人が関与せずに、しかも効率的に複数のお客様を同時に対応することで支払い待ちの列を短くすることが出来るようになります。これでスーパー側のメリットと同時に、お買い物のいらいらも解決、というところでしょうか。さらには自分でバーコードを読み取って精算まで出来るというセルフレジもスーパーのみならずコンビニでも散見されるようになって来ました。そうすれば店員さん一人で5-6台のセルフレジの使い方に対するお困りなどをお手伝いしつつ、精算待ちのお客様を空いているところに誘導すれば済むというものなのです。

さらにはバーコードすら不要です。

セルフレジも、さらに進んだ別のアプローチも試みられています。バーコードではなくRFIDというそれぞれが固有の微弱電波を出せるタグを商品に付けることで、無人レジにおいた瞬間に(何かを読み取らせる作業なく、ですよ)自分の選んだ衣服などが一通りレジに登録されているのを確認出来るシステムをユニクロが複数店舗で導入しています。お客さんには、スーパー同様に自分で袋詰して支払いも端末で行いますから6-7台のこの無人レジに対して一人だけスタッフを配備すればいいことになります。

AIまでがあなたのお支払いのために頑張ります。

でも、これはパッケージの横に印刷されたバーコードやRFIDをつけることの出来る商品だから出来ることですよね。もし、出来立てのパンのようなパッケージに入れてしまうとその魅力がなくなるような商品を扱うときはどうでしょう。それぞれのパンの値段を覚えてレジを打っていくのでしょうか。最近ではお客さんがトレイに載せた複数のパンをカメラで撮って、それぞれの形状から商品を認識してレジに登録する、という今どきのAIをつかった画像認識機能を取り込んだレジが出てきています。しかもAI -機械学習- を利用しているのでレジでの取扱い件数が増えれば増えるほどその精度は上がっていくそうです。

これって誰得?いや、多分平成な今を生きるあなたにもお得かも

こうなっていくと、お支払い、という買い物の手続きの一番最後について人の関与がますます減っていくことになり、例えば店員さんとのちょっとしたおしゃべりから値切りまで、人と人とのふれあいのようなところがなくなり、機械的になっていくのかもしれません。でも、お店の側からすると、おしゃべりによって列が長くなることやスタッフが値引きの交渉に対応しなくても済むようになる、ということ以上に、より売る為のプロセスに人を割くことが出来るようになり、またこのところの人材不足の問題への対応への一手として導入するインセンティブが強いでしょう。またお客様の側に対して、店員さんとのちょっとした楽しいおしゃべりで気分転換したり、もしかしたらの値引きのチャンスはなくなるとしても(それを求めるならばそういう店にいけばよいだけですし)、より多くのお店でキャッシュレスな買い物が出来て買いたいものがすぐに買えたり、精算の列に並ばずに済んだり、恥ずかしがりやさんならば店員さんの目を気にせずに精算が出来るようになる、というメリットも増えると思えば、オンラインショッピングでの精算の利便性がオフラインにやってきた、ということなのかもしれません。

そして、昭和の匂いのするお土産屋は。。。

と思うと、わが土産物屋はそれでもオフラインの昭和の時間に留まり続けるのでしょうか。ITリテラシーに欠けますからねぇ。。。とはいえ、個人的にはお店に立つ時のお客様との精算のときのやりとりは好きなのですけどね(笑)