第162回  < 当社の株主変更と今後のビジネスについて >

先月6月26日に発表させていただきましたように、8月1日付で当社の全株式をJASDAQ上場会社のアストマックスが所有することになりました。その後、10月1日に商品投資顧問業中心のアストマックスの投資顧問部門を吸収し、持株会社を親会社とするオルタナティブ専業の投資運用会社として新たなステージに進むことになります。振り返って見ますと、2004年、現マネックスグループと現あすかアセットマネジメントの合弁会社として発足した当社(MAI)は、昨年、三井物産とあすかアセットマネジメントの合弁会社であった、あすかコモディティインベストメンツを吸収合併しましたが、今回、さらなる発展を目指します。今回の合併により、当社はヘッジファンドやプライベートエクイティでのファンド・オブ・ファンズとマネージド・フューチャーズ(先物運用)を扱う会社として、国内最大規模となり、国内外の投資家の皆様に安定したサービスとさらなる運用商品のラインアップをご提供できる体制が整います。

オルタナティブ投資が投資家の皆様にとってより身近なものになる中、AIJ投資顧問の問題や、インサイダー取引問題をきっかけとした、規制強化やガバナンス向上のニーズに応えられる体制作りが急務となっています。われわれは、大手投資顧問会社では対応しきれない、ヘッジファンドや、商品投資顧問、その他にも小粒でもピリリと辛い、と感じられるような最新の投資手法を投資家の皆様にご提供する役割を自信をもって果たしていきたいと考えています。また、MAIを設立した時に掲げた、世界レベルの機関投資家が欲しがる投資対象を個人投資家の皆様にもご提供して行くという理念をさらに推し進めていきます。

今回の資本構成の変更と合併については、かなりの時間をかけ、現在の株主をはじめとする関係者と話しあいながら進めてきました。個人的にも、今回一緒になるアストマックスの経営陣とは10年以上の付き合いがあり、私どもが設立以来8年かけて培ってきた会社の理念や運用哲学を共有できることを確信しています。今回の発表以来、私どもの海外のビジネスパートナーである、シンガポールのフルトン社、米国のHFR社などへの説明を行い、今も海外出張にきています。また、国内で業務を共に行っている、みずほ信託銀行などにも説明を済ませました。これらのビジネスパートナーも今回の変化を好意的に受け取ってくれており、今後新しい業務の展開も考えられます。

このコラムの中でも過去に数多く、投資対象としてのコモディティや、マネージドフューチャーズの意義や特徴について説明をしてきました。今回、商品投資顧問業で、国内では圧倒的なシェアを誇る会社となりますが、これをきっかけに海外での業務展開も視野にいれ、アジアトップクラスの運用会社となるよう、ますます努力を続けて行きたいと思います。今後とも皆様のご支持をいただけますよう、社員一同業務に取り組んでまいりますので、なにとぞよろしくお願い申し上げます。