白木信一郎の「投資運用苦楽」

第320回 < ニューヨーク近郊の景色 >

前回、1月末の極寒の出張からあまり時間が経っていませんが、また米国に出張で来ています。今回は、新しく設定するファンドのパートナー候補との面談が主になります。ニューヨークではマンハッタン以外にも足を延ばし、コネチカット州のグリニッジなど、近郊の町も訪れました。マンハッタンの中心地、グランドセントラル駅からメトロ・ノース線のニューヘイブン行きの電車に乗り、一路グリニッジを目指しましたが、ん、駅員さんに「この電車、グリニッジ止まらないよ」、と注意され慌てて一駅目で飛び降りて次の各駅停車に乗り換えてことなきを得ました。素人にはランダムに見える停車駅、乗る前にボードできちんと停車駅を確認しておかないとこういうことになります。

そんなこともあり、あらためて目を皿のようにして駅名を見ていると、いろいろな特徴がみられます。向かっている、グリニッジ(Greenwich)は、当然イギリスのロンドン近郊にある、経度0度の本初子午線で有名な天文台のあるグリニッジから来ていると推測されます。興味が出たので、少し調べてみると、古い役所の資料が出てきました。1630年以降のコネチカット州が植民地される初期では、イギリスの地名を模した、ニュー・ヘイブン(New Haven)、スタンフォード(Stamford) 、ハートフォード(Hartford) 等の古い地名が誕生しました。たとえば、コネチカット州の州都であり、米国で最も古い都市のひとつであるハートフォードは1635年に入植者の故郷の名前から名づけられたようです。このように、当時登録された地名は、入植者の故郷の名や、英国内の地形や風景が似た都市の名前をとってつけられてきたものと推測されます。

しかし、電車に乗って次々と駅名を見ていると、たまに面白い発音の駅名を見ることがあります。たとえば、今回気になったのは、ママロネック(Mamaroneck)やスタンフォードの先にあるダリアン(Darien )、そういえば、駅はありませんがカントン(Canton)等の名前はどのようにつけられたのでしょうか。ママロネックは、アメリカ先住民の言葉で「甘い水が海に流れ込む地」あるいは「石の転がる場所」という意味だそうで、ここに海に流れ込む川があったことを示しているようです。カントンに至っては、中国の広東地方の名称が転じて複数のアメリカの都市の名前になったようですが、これは、遠い場所に対する憧れから与えられた名称であるとの説明がありましたが、実際はよくわかりません。

コネチカット州グリニッジは、多くの大手ヘッジファンドが拠点を置く場所として有名でした。2000年初頭には、調査の一環でたまに訪問していましたが、最近では、プライベート・エクイティ・ファンドも多く拠点を置くようになりました。また、これらのファンドに投資を行う投資家もグリニッジあるいはその周辺を拠点にするケースも多く、決して大きくはない都市に多くのファンドがひしめいています。久しぶりにこの街を訪れましたが、今回、当社の新設ファンドを通じて関わりができそうなので、再訪する日も近いと思います。電車の乗り間違えに気を付けながら、地名を通じてアメリカの歴史にももう少し詳しくなろうと考えています。