第401回 < 2022年10月日銀金融システムレポートを読んで >

毎年4月と10月の2回、日銀から公表されている金融システムレポートは、金融システムの安定性を評価し、日銀による金融システム安定確保に向けた課題について議論しています。当レポートは、国内外の金融市場を取り巻く環境を、銀行を中心とする国内金融機関の立場から網羅的に分析しているため、金 […]

第367回 < アルケゴス・キャピタルによる投資銀行の大規模損失について >

今回、大規模な金融取引による損失は、タイガー系の運用会社に所属していた元ヘッジファンド運用者であり、当時インサイダー問題などから引退した後、自身のファミリー・オフィスを通じて活動していた、ビル・ファン氏による取引が原因でした。2021年3月29日に野村証券が20億ドルの損失の可能 […]

第293回 < 今投資家が考えるべきこと(3) -資産の流動性について- >

これまでの金融危機時に頻繁にみられた現象は、投資家が保有する資産価値の下落の直撃を受けた際に損失を穴埋めするために、流動性の高い他の資産を換金売りするという行為です。特に、信用取引、証拠金取引に代表される「レバレッジ」をかけた投資を行っていた場合、元本を超えて損失が拡大した場合に […]

第235回 <  今回の市場ボラティリティの急上昇  >

8月25日の米国株式市場は、前週の下落からの反発が期待されましたが、引けてみると続落し、S&P500指数は1週間で11%以上下落しました。直近ピークの5月21日終値と比較すれば、12.35%の下落です。日本株は、8月11日の終値と比較して、8月25日までに14%以上下落し […]

第232回 <  金融市場に高まる緊張感について  >

2015年7月が始まったところで、世界の金融市場を見回してみると、昨年の今頃に比べて少しずつ緊張感が高まっていると感じています。昨年の夏ごろは、エネルギーの安定供給が本格化し、雇用も回復してきた米国の景気回復を背景に、欧州不安は継続していたものの、リスクの顕在化はあまり見られませ […]

第228回 < 日本の不動産価格にみるバブルの進行度 >

ここ半年の間で、都心の特にAクラスを中心とした不動産価格に関するショッキングな話を聞くようになりました。銀座の物件がキャップレート2%ちょうどで取引された、内幸町の大型物件が2%台で取引された、というような話です。不動産の専門家でもなく、実際の売買に立ち合っているわけではないので […]

第209回  < 流動性プレミアムによる投資リターンの追求 >

現在の投資環境は、先進各国の流動性供給に支えられ、また、米国の景気指標や企業業績が安定していることもあって、この10年間でも相当良好なものとなっていると思われます。米国のエネルギー事情が長期的に改善していることも見逃せません。さらに、昨年まで、先進国にのみ流入していた資金もようや […]

第178回  <  海外投資家による日本への投資 >

日本株(日経平均)の上昇幅が2012年に22.9%、2013年は、1月から本日(4月9日)までに既に26.9%にのぼっています。アベノミクス、黒田総裁による日銀の超緩和政策をきっかけとして、為替の円安誘導も進んでいます。しかし、20年間のデフレ、低成長に喘いだ日本経済の一大転換期 […]

第172回  <  2013年 ヘッジファンド投資環境予想 >

本年もなにとぞよろしくお願いいたします。2013年が皆様にとって素晴らしい1年となりますよう、心から祈願しております。昨年末から今年年初にかけては、日本の株式市場が円安や自民党政権による景気刺激策への期待を背景に大幅に上昇したこともあり、金融市場は例年に比べるとだいぶ明るい雰囲気 […]

第155回 < 米国出張報告 (3)  >

前回から間隔が空いてしまいましたが、2月の米国出張時の報告を完結させたいと思います。前々回のコラムでお話したように、2012年に入ってからの好調な市況に支えられ、米国の運用者の大半が強気に傾く中、ポジティブな材料は幾つかありました。しかし、一方では面談を通じて気になった点も幾つか […]

第138回 < 海外出張報告 (1) >

今週、シンガポール、ロンドン、シカゴ、ニューヨークの出張から戻りました。前回のコラムでもお話したように、約30の運用者との面談が主な目的でした。当社が運用しているファンドから投資している先も多く、投資状況のフォローアップをすることができました。特に、2011年5月、6月はギリシャ […]